Being John Malkovich
1999年 米
監督:スパイク・ジョーンズ
出演:ジョン・キューザック
キャメロン・ディアス
キャサリン・キーナー
ジョン・マルコビッチ
想像していた以上に屈折した映画だった。もう少し笑える映画だと思っていただけに、後味がかなりしつこく残るのが意外だった。後味が悪いという意味ではないんだけど、しいていえば、ゲテモノ系の高級料理を食べたあとみたい。
偶然みつけた穴がマルコビッチの頭のなかにつながっている、という設定もヘンだけど、15分たったら高速道路わきの土手に放り出されるというのも、シュールなのか単にヒネリがないだけなのか、とにかくヘン。最後に、あんなにたくさんの老人がマルコビッチの穴に入っていっていいのか? マルコビッチの脳内でみんなどう落ち着くんだ? なんか謎多くて消化不良気味。「永遠の命」のロジックがよーわからんかった。
とりあえず、マルコビッチがマルコビッチの穴に入っていって、ぜんぶ「マルコビッチ!」と絶叫するくだりはサイコーでした。あと、マルコビッチの無意識下(?)もおもしろかった。彼、すんごーくイジめられてるんですけど、あれは願望なの?トラウマなの? 心理学にも精神分析にも詳しくないので、理屈があるのか単におちょくってるだけなのか分からん。恋愛関係の黄金パターン・三角関係も(いやマルコビッチを加えると四角関係か)、こういう風に描かれるとおもしろいですね。ただスマートに描いているというよりは、ヘンタイ的。決してキライではありませんが、この映画、ヘンタイ度高し。個人的には、主人公の人形使いのウザさ加減に辟易。最近のアメリカ映画って、ナイーヴでコミュニケーションへたくそで、ちょっとオタク気味な男子がでてくるのが多いわよね、って素朴すぎるコメントでしょうか。
(08.Feb.03)