きんとんパイ

 お正月のおせち料理でいつも最後まで残るは、きんとんと黒豆。
 圧力鍋のおかげで豆を煮る時間が短縮できるので、黒豆づくりも面倒ではなくなった。残った黒豆は、ぜんざいのようにして温めて食べる。豆好きなので、全然オッケー。でも、きんとんはどうしても残ってしまう。
 わたしのレシピは、さつまいもとりんごを合わせて作るもの。砂糖をかなり減らして、しかもレモンの香りを入れているので、さっぱりしたきんとんになる。水分を飛ばしすぎるのか、そのまま食べるともそもそしていて、あまりたくさん食べられるものでもない。一口二口はいいとしても。
 今回この余り物でパイを作った。パイ生地はレトルトのものを使用。作ってみると、りんご入りさつまいもペーストの水分も飛んでいるから、パイ生地に水分も移らず、うまいぐあいに焼けた。甘みが薄く酸味があるのも、パイのなかに入れるとちょうどいい甘さになった。焼きたての熱々はちょっと病みつきになりそう。このパイを作るために、もういちどきんとんを作ろうかと思ってしまう。

古代ローマ史

 TBSでやっていた古代ローマ史、やっと見終わった。元はBBCなのですね。きっと長編番組だったんだろうなあ。4時間くらいにカットされて、エンタメ仕様にされてるみたいだけど、なかなかおもしろかった。タレントのコメント類はツマランので早送りで飛ばしながら、本編だけを拾い見する。塩野七生さんのローマ史が随所にでてくるのもよかったけど、BBCも塩野ローマ史をふまえているんですかね? 多分、別物だろうなあ。
 そういや、塩野ローマ史は半分読んで挫折したのだった。文章のうまい人なので、読みやすいんだけどね。毎年一冊刊行というスローペースについていけなくなったのね。
 

清荒神さんに初詣

 今年は清荒神さんに初詣に行った。住吉大社は参拝するまでにひたすら牛歩で耐えねばならず、あれがツライので今年は却下。清荒神は阪急宝塚の一歩手前の駅で、梅田からさほど遠くは感じなかった。
 清荒神さんは、石切さんと四天王寺さんと並んで、「おばあちゃんのメッカ」というイメージが強い。駅近くのお店は充分にぎわっていて、帰りに買い物していこうと楽しみにしていたのだが、警察の誘導で迂回路にまわされ、一山歩かされた。この日の歩数計は2万歩以上をたたきだしていた。延々歩かされて、いつになったら参詣できるのか気が遠くなった。
 やっと本堂に入れて、お参りして、おみくじをひく。そしたら大吉がでたではありませんか。去年は大凶をひいてしまい、年の前半はさっぱりでがっかりな状態だったので、験を担ぎたくもなるというもの。大吉なんて何年ぶり・・・。幸先いいです。
 参拝がおわって参道をずーっと下っていく。屋台はひやかすだけで通り過ぎ、地元のお店が並びだすと、俄然興味がでてくる。かきもちだのおかきだのが多くて、さすがおばあちゃん仕様。「こぼれ梅」という味醂のしぼりかすも売っていて、これが妙に気になっていたのだけれど、三宝堂の柚子もなかに魅かれてしまい、これを立ち食い&箱買いしてしまう。ふつうの餡子のもなかも売っていて、一口サイズなのがかわいらしい。柚子もなかのほうは、甘くないところが気に入った。
 さらに歩いていくと、泉寿庵のきんつばに目を奪われる。蒸したてなのか、ほんわか暖かいきんつばを食べる。餡が甘すぎず、皮も柔らかく、これまた美味しい。ほかにも気になる和菓子屋さんがあったのだけれど、柚子もなかときんつばでとりあえず満足して帰途につく。

2008!

新年あけましておめでとうございます。
昨年このサイトを訪れてくださったみなさま、どうもありがとうございます。
のんびり更新になっていますが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
すてきな一年になりますように!

お掃除&スケジュール帳

 昨日で仕事を締めました。
 今日から早速掃除をするぞ〜と意気込んだのに、イキナリ雨模様。すっかりやる気をそがれてしまった。夜になってやっと掃除熱が入り、やっとクリスマスの飾りつけをしまう。調子にのって、大量にたまっている紙類(領収書とか明細書とか)を整理・始末する。いつのまにか溜まるし、微妙に捨てがたいものも多いので、なかなか始末に困る。
 でも明日も雨っぽいので、この調子じゃ、今年の掃除はかなり中途半端に終わりそうだ。
 ところで来年のスケジュール帳をまた買った。
 前に買った分がどうにも気に入らなくて、結局買いなおした。無駄に散財しながら、やっと自分の使いたいタイプのスケジュール帳がわかってきた。で、いくつか条件をラインナップしておくと・・・
・マンスリーとバーチカルタイプのウィークリーが使いやすい。
・でも、バーチカルでありがちな、土日縮小型はダメ(前回買ってしまったのがこのパターン・・・土日も予定が多いのになんで縮小しているものばっかりなの? 今回買いなおした分は、なんと土日のほうがスペースが大きい。これが決め手だった。)
・今回買ったのは、一ヶ月ごとに目標を書き込んだりするページが別立てで用意されている。→隙間に書き込むよりいい!
 あとはどれだけ使いこなせるかですね。新しくペンも買ったし、しっかり時間管理していきたい!

サガン

 ジョゼつながりで、サガンの『一年ののち』と『すばらしい雲』を読む。最近はとっかかりがないと本を読まなくなった。人から勧められるか、芋づる式に手に取るかのどちらかで、手あたりしだい乱読するということがなくなった。
 で、サガンだけど、まちがって後者から読んだ。でも時系列的には『一年ののち』→『すばらしい雲』らしい。
 『すばらしい雲』のほうはなんかタルくて、あいかわらずサガンはよく分から〜んと思いながら読んだのだけど、そのあと、期待せずに手に取った『一年ののち』は意外によかった。登場人物それぞれのキャラが立っていたのと、複数出てくるカップリングの対比にメリハリが利いていたので、ストーリーと情景をヴィジュアル化しやすかったからだと思う。とくにジョゼとベルナールが醸し出す、詩的かつ文学的なアンニュイさはとてもよかった。ジョゼのジャックへの魅かれ方も悪くない。往年のヌーヴェル・バーグ的フランス映画ってかんじ。

ホットケーキ

 おなかが空いたのでホットケーキを焼くことにする。
 小麦粉カップ1、卵1個、牛乳適量、BP・バニラエッセンス少々を溶き混ぜて生地を作る。いざ焼く段階で、ホットプレートを出すのも面倒だし、油を使ってフライパンで焼くのはいやだなあと思ったので、テフロン加工の卵焼き用の鍋で焼くことにする。心持ち小さめに生地をたらして焼くと、思ったより簡単にできた。しかもホットプレートで焼くよりうまい具合に膨らんでくる。ガス火のせいかな。なんか回転焼きみたいになった。4個のミニ・ホットケーキを焼いて、蜂蜜とかプラムのコンポートを付け合せにする。
 適当に作ったホットケーキを並べて紅茶を入れて、遅まきのランチ。文庫本片手に読みながら食べていると、あっというまになくなっているのが不思議だ。

映画評&豆大福

 見た人もすでに多かろう『ジョゼと虎と魚たち』。あんまりひねったことも書けなくて、素直に、いい映画だったなあという感想。
 今日は久しぶりに街中の大型書店に立ち寄る。『ユリイカ』がドストエフスキー特集だったので、どうしようかな、と迷ったけどとりあえず買っておく。ジョジョ特集のほうが断然に売れてそうだけど。
 ついでに前に食べて味をしめたヴィタメールのプティフールを買おうとデパ地下に寄ったら、もう売っていなかった。売り切れたのか、季節限定だったのか。なかにアーモンドの香りのするクリームが入った小さなシュークリームで、チョコレートでコーティングしてあるものだった。美味しかったのになー。
 代わりに、和菓子やさんで豆大福を買う。このまえ京都出町柳のふたば屋さんの豆大福を食べて、なかなかパンチの効いた塩味と程よくのびる餅加減がすっごく美味しかった。餡もほんとに甘くない。そういうわけで、今、豆大福食べたいモードが少々上がり気味だったりする。でももう一度、ふたば屋さんのを食べたいー。

ジョゼと虎と魚たち

2003年、日
監督:犬童一心
出演:妻夫木聡
池脇千鶴
上野樹里


 この映画、すごくよかった。あんまりよかったので、田辺聖子の原作を買って読んだ。原作もよかった。映画はこの田辺原作の雰囲気をこわさずにうまく作られているなあと感心した。
 足の動かないジョゼは、古ぼけた長屋の片隅に年老いた「おばあ」と二人で住んでいる。映画のなかの、ジョゼの部屋がかわいらしい。気に入った写真を襖にはり、白いカーテンを窓にかざり、白い小さな鏡台に櫛やアクセサリーを飾り、赤い水玉模様のポットからお茶を飲む。「おばあ」がゴミ捨て場から拾ってくる本を山積みにし、押入れのなかに灯りをもちこんで、そこでジョゼはかたっぱしから本を読む。世間体を気にして、ジョゼを「壊れもん」として扱うおばあは、早朝の人気の少ない時刻に、ジョゼを古ぼけた乳母車にのせて「散歩」につれだす――「花」とか「猫」とかを見ないといけないから。海底にひっそりと住まう人魚姫のようなジョゼの世界はそれだけだった。
 ある日の散歩途中のトラブルがきっかけで、大学生の「恒夫」がジョゼたちの家にくるようになる。ジョゼはヘンな女の子で、大阪弁で小憎たらしい高飛車な物言いをする。恒夫は大学にいる周囲の女の子とはぜんぜん違うジョゼに最初は面食らうけれど、高飛車な物言いのなかにある繊細さやかわいらしさを感じとって、だんだん彼女に魅かれていく。それにジョゼの作る料理は、とてもおいしそう。恒夫はジョゼの作るごはんを食べにくる。それがぬかづけだったり、たまご焼きだったり、筑前煮だったり、とてもシンプルな料理。「また食べにきたで」「どあつかましい男や」といいながら、ジョゼは恒夫に料理を作る。あとで、ジョゼに恒夫をとられた元・彼女が「あんたの武器がうらやましいわ」とジョゼの足のことをあてこするけれど(ジョゼもきっちり言い返す)、「女の武器」という点では、「憐み」よりも「胃袋」をおさえたところにありそうだ。
 おばあが死んで一人ぼっちになったジョゼは、「ここに居って」と泣いて恒夫を引き止める。ジョゼに魅かれていた恒夫は、彼女といっしょに暮らしだす。好きな男ができたら、この世でいちばん怖い生き物=虎を見に行こうと思っていたというジョゼは、とてもいじらしい。はじめての旅行で場末のホテルに泊まる二人――海の生き物がホログラムで浮かび上がり、部屋中を回遊する映像をみながら、ジョゼは、自分が深い海底に戻ることは二度となく、恒夫が去った後には、乾いた貝殻になってカラカラ転がるだけの人生になることを予感している。でも、それもまたええわ、とひとりごちながら。
 最後、ジョゼと別れた恒夫は泣き崩れ、ジョゼは淡々と日常を生きる。一人であっても自分のために丁寧に食事を作る彼女の姿は、とてもよい。思うに、人のためにごはんを作るのもいいけれど、自分のことを思ってごはんを作ることは、心がすさんでも萎縮してもいないからこそ、できることなんだろう。だから、ジョゼの暗い予感をこめた独白にもかかわらず、彼女の未来は豊かな色彩を帯びたものになるのではないかと、祈りをこめて期待したくなるのだ。
 映画館でみたかったな、とちょっと残念に思っていたりする。
(13.nov.2007)

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廃線跡

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秋晴れの一日。
お弁当をもって、渓流をみながら、
ススキをかき分けて、ひたすら歩く。