クエンカ

 夜「世界遺産」。今日はスペインのクエンカ。ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』の大審問官をなんとなく思い出していたら、やっぱり異端審問関係の話がでてきた。あの「宙吊りの家」もおもしろいなあ。

PHSで読書

 中島敦をいくつか読む。昔読んだときもすごく気に入ったけど、今読んでもあらためていいなあと思った。独特の御伽噺のようだ。「夾竹桃の家の女」とか「南島譚・幸福」などは舞台がパラオだったりして、中島が、南方に植民地を広げていった戦前の時代に生きた人だったということを思い起こさせる。日本の風土とはまったく違う匂いが、ある。
 次に近松秋江も読んでみたが、途中で「容量オーバー」ってなってデータが切れてた。なんだこれーやっぱPHSだなあもう。しかも電池切れ間近って、うう、やっぱPHSで読書って面倒くさいかも。

電車で読書

 電車にのって出かけたりするときには、とりあえず鞄のなかに本をつめこむ。疲れていて本を取り出す気が起こらないときもあり、なんのために本をもってきたのかと呆れるときもあるけど、何にもせずにぼーとしている時間が苦手なようだ。だから、銀行とかに行って、お金をおろすのに長蛇の列ができていたりすると、本もってきたらよかった、と思ってしまう。本を読みながら行列している姿がイケてるかどうかはともかく。
 ただ電車のなかで本を読んでも、たいして読み進まないし、移動にあわせて中断せざるをえないから、あまり集中できない。1時間も乗っていれば別だろうけど、たいてい10分から30分の乗車時間である。
 最近、PHSのメールに、ネットでひろって編集しておいた文章をPCから送っておいて、それを読むようにしてみた。いまさらな話で、そんなのみんなやってるよ〜だけど、携帯メールなるものに対してはわたしは否定派で(使いにくい、PCに比べるとはるかに時間がかかる、大量に打てないetc)、旅行にいくときぐらいしか利用していなかったのだ。人にもほとんど教えてないから、PHSにはメールはこない。もちろん、スクロールしながら読むやり方は決して読みやすいわけではないけど、10分単位の細切れの時間であれば、意外に使える。しかも結構な量の文章が送れるので、今いろいろ試し送りしている。ドイツ語の文法についての読み物とか、青空文庫で拾った小説とか。他に何が送れるか思案中。鞄が軽くなりそうで、ちょっといいかも。

本格的始動

 本格的にダイエットにとりくんでいる(つもり)。これまではたいてい、体重が減ったら成功〜とか思っていたけど、それではいかんとやっと気付いた。今回は体重を減らすのは目的ではなく(もちろん副次的効果として減っててほしいけど)、脂肪を筋肉に変えるとゆーパターンでがんばっています。
 意識的に生活をみなおすと、なおすとこが多すぎて笑える(情けなくて)。何よりも注意していることは、お菓子類を買わないこと。チョコとかクッキーって、一口食べてもカロリーがはねあがるし、意外と和菓子もカロリーが高いので断念。テトラポット型の甘納豆一パック40kcal也を買う。こんなの一口でガガーと食べられそうな量だけど、粒がたくさん入っている分、ちびちび食べられるので。昔話にでてくる芋粥を何日もかけて食べた人の話を思い出すなあ。でも今日は、寒天で豆乳ゼリーをつくった。蜂蜜をかけて食べて見たけど、豆乳に甘味があるのでそのままでも食べられる。大量に食べても40kcalくらいにおさえられそう。すばらしい。次は何でつくろうかな。

買物

 さわやかな秋の一日、といいたとこだけど、気温がぐっと下がると途端に花粉症がでてくる。冷え込むと体がアレルギー反応をだすらしい?? よく分からんが、春とちがってマスクマンもいないし、ひとりであんな格好するのヤダ。
 しかし、今日はいい天気。ほこりアレルギーでもあるので、朝からせっせと拭き掃除をする(毎日するよーに!)。そして街へお買い物にでかける。今年の秋冬用のジャケットとセーターを買った。うーんうれしい。あとはコーヒーとかハーブティ(カモミール!)とか蜂蜜(りんご!)とか抹茶とか。そして甘味所でわらびもちとグリーンティのセットをいただく。普段ならこんなの注文しないけど、なんといってもダイエット中ゆえ、これならローカロリーじゃろうという選択である。スーパーのわらびもち&自作わらびもちより、さすがに美味しかった。ふるふる感がちがう。

エリン・ブロコビッチ

erin brockvich
1999年、米
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
出演:ジュリア・ロバーツ
アルバート・フィニー
アーロン・エッカート


 元ミスコンの女王だけど、今では三人の子持ちで離婚していて無学で無職で貧乏なエリン・ブロコビッチ(ジュリア・ロバーツ)が、ひょんなことから弁護士エド(アルバート・フィニー)の助手になって、大企業相手に公害訴訟をおこし、史上最大の和解金を勝ち取るというストーリー。派手な裁判劇に進まず、和解へともちこんでいくあたり、実話に基づいているというのもうなづける。痛快サクセス・ストーリーといってしまえばそれまでだけど、エリンがとにかく現場に飛び込んで、公害が原因で癌におかされた住民たちの心の痛みに寄り添っていく姿勢が共感を呼ぶ。
 些細なエピソードのいくつかが心に残る。たとえば、仕事に走り回って疲れきったエリンをパートナーのジョージ(アーロン・エッカート)が労わろうとするシーン。君の小さな赤ん坊が今日はじめて言葉を喋ったよ、「ボール」って言ったんだ、とてもきれいな発音だったよ、すごく感動したよ――電話ごしに伝えられるエピソードにエリンが慰められていくのが見ている方にも伝わってきて、なんだか泣けそうになる。また、仕事に奔走し子供たちのことをかまってくれない母親エリンに反抗していた息子が、エリンの仕事を理解する場面。彼は、母が自分同じ年なのに癌におかされて苦しむ子どもやその母親のために闘っているのだということを悟って、母を応援することができるようになる――ソダーバーグって監督は、こういう心の襞や動きを丁寧に撮れる人だなあと、見ていて思った。予想以上に見ると元気になる映画でした。
(04.okt.2003)

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アンナ・マグダーレナ・バッハの年代記

choronik der anna magdalena bach
1967年、独・伊
監督:ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ
出演:グスタフ・レオンハルト
クリスティアーネ・ラング
ヨアヒム・ヴォルフ


 これはかなり実験性の強い映画だ。音楽家による音楽家のための映画といってもいい。バッハの妻の視点から、バッハの生涯を「音楽で」綴るというもの。ふつうの伝記映画を期待してみると肩透かしを食らう。音楽的な解釈についてはCD−ROMの解説書を見てくれともう丸投げするけど、どうも、バッハの生涯を辿りながら、1960年代の古楽器音楽シーンをそのまま映像で保存するという二重構造になっているようだ。だからものすごくドライな作りで、感情的なものは殺ぎ落とされている。分かる人には分かる的にかなりぶっとばしている映画なので、「バッハ? けっこう好きかも〜」とかゆうレベルのわたしのよーな人間が見ると、かなりキツイ。
 ただ、見ていておもしろかったのは、バッハの行動範囲が、教会・大学・選帝侯の宮廷という3つを動いている点。このあたりは、18世紀的であるし、またドイツ的でもあるのかな。…あんま書くことないみたいですね。
(04.okt.2003)

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洋書の古本

 古本屋さんに、ヘッセのドイツ語版の本がたくさん出ていた。そのなかで日本語で読んだことがあるのは、『春の嵐』と『シッダールタ』だけだったけど、『ゲルトルート』がいわゆる「ひげ文字」だったので、ふつうの文字になっている『シッダールタ』のほうを買った。ひげ文字も慣れたら読めるだろうけど、ちょっと威圧感が…。
 夜、「世界遺産」のラヴェンナの初期キリスト教建築群をみた。とても美しくて、しばし別世界にひたる。30分はあっという間だった。

散歩

 見た映画の簡単コメント、以下に掲載。メモ書きってかんじなので、もう少しコンパクトにまとめたかったけど、難しいなあ。無駄に長い(しかも内容ない)。
 今日は隣町まで散歩がてらにパンを買いにいく。途中で古本屋さんで本を物色。サティのレコードを買う。秋の夜長にはいいかも。あとサイードの『遠き場所の記憶』を読みすすめる。すごくおもしろい。

17歳のカルテ

girl, interrupted
1999年、米
監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:ウィノナ・ライダー
アンジェリーナ・ジョリー
クレア・デュバル


 模範的なパパとママがいる裕福な家庭で育ちながら、自分を消してしまいたいという欲求に苛まれては自殺未遂をおこしてしまう神経症的な白雪姫と、背中を押してもらいたがっている弱い人間を死に追いやることなど平気でできてしまう、暴力的で支配的なシンデレラ――このふたりが1960年代後半の精神病院で出会って、互いに惹かれ、逃避行。
 けれども白雪姫はシンデレラの冷酷さについていけず、途中でリタイア。自分のお子様振りを悟ってからは、病院で模範的に振る舞い、退院する日を待つ。ところが退院する日にシンデレラが連れ戻されてくる。今度は白雪姫を追い詰めるシンデレラ。必死に逃げながらも、観察眼と文章を書く能力を与えられていた白雪姫は、「あなたはもう死んでいるから誰もあなたの背中を押したりはしないのよ」と、言葉でシンデレラの麻痺した心をえぐる。
 一歩だけ、わけのわからない少女時代の混乱を乗り越えた白雪姫は、そうして、友人たちにも死から再生への道を示して、もういちど外の世界へと戻ってくる――かなり脚色したけど、こういう話にもとれるかな、と。
 
 ぬけるように白い肌と不安そうに見開かれた黒い大きな瞳が印象的なウィノナ・ライダーは、神経質で繊細な少女の役をこなしていたし、アンジェリーナ・ジョリーもエキセントリックな役柄を圧倒的な存在感で演じきっていた。脇を固める少女たちも、主人公の二人を浮かび上がらせるのに十分なほど地味で堅実な演技だったと思う。
(04.okt.2003)

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