バスを降りてから、石造りの古い橋がいくつも架かる川沿いを歩く。黒揚羽や鴉揚羽が水際をひらひらと舞っていて、陽光にあたって羽がきらめいていた。途中、市電にのりこむ。市電そのものがどこか懐かしい雰囲気をもつ乗り物だけれども、料金箱が手動だったり、ずいぶん味がある。ヨーロッパの町にもトラムはたくさん走っていたけれど、あちらは最新のデザインになっているのが多かった。長崎はまだ20世紀前半の佇まいを色濃く残しているように思った。
観光名所のグラバー庭園に向かう途中、大浦天主堂に立ち寄る。ステンドグラスから落ちる色鮮やかな光の影が、薄暗い教会内に落ちているのが美しい。江戸時代に弾圧されたキリスト教徒たちの子孫が、明治になってから、来日したフランス人神父と聖母子像のもとに辿り着いた出来事が録音テープから語られるのを、扇風機の風にあたりながら聞いていた。ヨーロッパで見る聖母子やキリストの絵画やタペストリーには、普通ラテン語が書き込まれているけれど、ここで展示されていた絵画(屏風絵の一枚のようだった)には、ひらがなでキリストを讃える文字が書き込まれていた。民衆のあいだに信仰が根付いていたのだろう。
長崎には、西洋との出会いにいくつかの波がある。戦国時代にイエズス会の宣教師と出会い、領主や農民たちがキリスト教に改宗していった段階と、江戸時代に出島を通じてオランダ人と交際した段階(おもに役人関係だろう。カステラなど洋風のお菓子やそれに使われる白砂糖などは、このルートで入ってきたらしい――父親が家族のために懐に洋菓子を忍ばせて出島から出てくる様子は、なんだかほほえましい)、それから明治維新以後、聖職者や知識人、さらに一旗あげようとした商人たちが極東をめざしてやってきた段階。グラバー邸など居留地に建てられた建物の景観の見事さやその贅沢な造りをみれば、この時期の経済的成功者はどれほどの特権を享受していたのかと思わせる。その後の歴史からすれば、こうした栄華も一瞬のものでしかなかったということになるのだろうけれど。
あとは食べ物。長崎名物ということで、ちゃんぽんと皿うどんを食べた。ちゃんぽん、一口食べて甘くてびっくりした。最初の一口二口は甘くて美味しいのだけれど、だんだん甘さがくどくなってくる。正月料理と同じで、砂糖を多く使うのが贅沢・富の徴だったのか? ガイドブックの解説をみると、中国人留学生のために安くて栄養価が高いものをということで考案されたとあるから、さほど贅沢な一品でもないように思うが。カステラは、いまどきどこのデパ地下でも買えるお菓子だから、これもさほどありがたみがない。豚の角煮も有名らしく、角煮バーガーという、角煮をパンのようなものに挟み込んだものが売っていた。パン生地をもっとしっかりした中華まんの生地に包んだほうが味しくなるのでは?と思ったけど、角煮はおいしかった。
中原淳一の絵本
中原淳一の『シルエット絵本』というのを、ついつい衝動買いしてしまった。「人魚姫」とか「蝶々夫人」などのおとぎ話に、中原淳一のイラストがついた絵本。ビアズレーとかアーサー・ラッカムとかラファエル前派を思い出させるような絵柄で、登場人物はシルエットだけど衣服が細かい模様で描かれている。絵を眺めているだけでもなかなか楽しい。
夏野菜
もう7月半ばなのに、いきなり梅雨? 蒸し暑さが和らいでいいけど、油断するとあちこちにカビが一気に生えそうな湿度&気温。ヨーグルトが保温しなくても常温で勝手に出来あがる時期なので、気をつけないと食中毒になりかねない。パンは焼いて冷ましたら、即刻冷凍庫行き。化粧水も防腐剤入っていない分は冷蔵庫行き。布きん・台ふき・まな板など、熱湯消毒・漂白と、いろいろ気を使う時期。
ときどき実家の父が家庭菜園の野菜をおすそ分けしてくれる。夏野菜だから、胡瓜・茄子・紫蘇・トマト・ピーマンなどなど。もうすぐゴーヤがやってくるのが楽しみ。でもできるときは一気にできるから父も食べきれずにおすそ分けしてくれる。胡瓜など一気に20−30本くれる。いつまでも持つものではないから、こうなると、朝昼晩毎日胡瓜づくし。
胡瓜はスが入っていたら炒めてつかうけど、みずみずしいものはそのままサラダで食べるのが一番おいしい。ドレッシングやお酢で和えるのをいろいろ変えてみる。ちなみに今一番のお気に入りレシピは、細切りにした胡瓜を切干大根と刻んだ赤紫蘇と胡麻で和えるもの。お酢やシークワーサーで適当に味付けする。コリコリした食感が美味しい。でもさすがに毎日食べていると飽きがくる。胡瓜腹になる。胡瓜は脇役としては万能だけど、主役におどりでるとキツイ野菜かも。
あと、大量のピーマンは青椒肉絲になる。ピーマンの隙間に豚肉がみえるような青椒肉絲になるのです。
サッカー7
いよいよサッカーも終盤。
今回のドイツの3位は、前回の2位より価値が高いみたい。’Weltmeister der Herzen’ (心の決勝戦)って、向こうのニュースをみていると、有終の美を飾ったというところなのかな。すごく盛り上がっているみたい。シュヴァインシュタイガー、ヒーローだね。そして “Das war heute mein letztes Länderspiel”(今日が最後の国際試合だった)って、カーンも去るのね。ああ、なんだかとっても宴のあとって気分です。まだフランス×イタリアが残っているわけだけど・・・。
サッカー6
ドイツ負けた、、、ドイツも負けた、、、。
もう応援するチーム思いつかない、、、。
朝っぱらテレビ観戦って疲れる。
しかも今日はこれからお仕事だし、、、眠い、、、。
サッカー5とビール
サッカー、決勝戦に入って中休みに入ったので、夜はつかのまの息抜き。
オランダ・ビールのグロールシュ、チェコ・ビールのバドヴァルを買ってあった。やっぱりバドヴァルは美味い! でもどっちも負けた。冷蔵庫にはドイツ・ビールのエアディンガー・ヴァイスビアも入っている。酵母系のビール大好き。でももしかして縁起悪いのだろーか・・・(応援するけどっ)。あとはイタリアと意外にもフランスだから、こっちは定番のワインかなあ。それより、ウクライナ料理が気になる。どんなものかぜんぜんわからない。ラードを使ったボルシチとか有名なの? ウクライナってビールあるのかなあ? 南米は、コロナみたいな炭酸のきっついうっすいビールなんだろうなあと思うと、いまいち楽しめない。サッカーは見ていておもしろいけど。
不思議譚2
山田章博の『百花庭園の悲劇』と『おぼろ探偵帖』を読む。いつもながら絵の完成度はすばらしい。昔の作品ほど描き込みも少なくなって、いっそう洗練されたように思う。あとあいかわらず引用がすごい。『おぼろ』のほうは、文明開化の明治東京を舞台に心中物・化け物・百物語・怪談・浮世絵テイスト満載。泉鏡花がそのまま物語に登場してくるのもご愛嬌。
鏡花つながりで、『婦系図』を読み始める(多分なかなか読み進まないなー)。江戸っ子弁って難しい。あと『聊斎志異』も併読。こちらは中国民間伝承の不思議譚が満載。もう普通に壁の絵のなかに人が入っていったり、幽霊と会話したりして、短編ばかりだけどおもしろい。
サッカー4
チェコ×イタリア、いよいよキックオフです。
今日はチェコ・ビールとグラーシュにするぞー、と思っていたけど、生憎一日中雨のため買い物にいけなった。焼酎と味醂干しで観戦することになった。もう一度チェコ・ビール買いに行くチャンスがめぐってきますように。
サッカー3
チェコ×ガーナ、このまえのチェコの華麗なるパスワークを期待して見たら、「・・・・・・」になってしまったよ・・・。ガーナのほうがパスつながっていたし。つぎのイタリア×アメリカはみなかったけど、この組はすごい混戦状態になったみたい。チェコ×イタリアがマジで楽しみ。あ、ガーナ×アメリカの勝敗も関係してくるのかー。なんて泥臭い展開なんだ。日本戦より目がいってしまうよー。といっても今晩も見るだろうけど。
サッカー2
アルゼンチン×セルビア・モンテネグロ、あそこまでいくと見てるのがツラクなる試合だったわ・・・。
ところで、夜中に録画したサッカーの試合をぼちぼち見てるんだけど、結果が分かってしまうとつまらないので、朝のニュース番組などはできるだけシャットアウトしている。サイトの結果速報もできるだけ見えないように隠している。なのに電車にのると、スポーツ新聞を広げるオジさんが伏兵みたいに出没してきては、せっかくのわたしの努力を水泡に帰してくれる。