ローマの奇跡

Milagro en Roma
1989 年 コロンビア・西
監督: リサンドロ・ドゥケ・ナランホ
出演: フランク・ラミーレス
ヘラルド・アレンジャーノ
アマリア・ドゥケ・ガルシア


 ガルシア=マルケスの「聖女」という作品が原作。
 南米のどっかの国が舞台で、サルのおもちゃで遊んでいた7歳くらいの女の子が突然死んでしまう。父親が嘆きながら子供を埋葬するんだけど、何年かたって墓を開いたときに、娘がそのままの状態で棺のなかに横たわっているのが発見される。墓を開いたときに、一番最初に、娘の小さな足の裏が現れたのを見たとき、父親が半狂乱になって子供をかき寄せる。服は汚れ、髪や爪は伸びているけど、腐敗もせずに墓のなかで何年も眠っていた娘を抱いて、父親は「奇跡だ!」と叫ぶ。
 それから父親は「奇跡の認定」を求めて、眠ったままの少女をつれて、はるばるバチカンに向かう。法王とのアポイントはなかなかとれない。ローマの下宿で娘と日々を過ごしながら、結局彼は、南米に戻っていく。
 サルのおもちゃが偶然動いたとき、娘は目覚める。娘をかきいだく父親。
 でも原作では、娘は眠ったままだ。娘が「聖女」なのではなく、父親が「聖人」だったから、この奇跡は起こったのだと読者にひっそりと伝えられる。
 感想とかはヘタに述べないほうがいい映画もあります。これはまさにそんな映画。
by kiryn (2001/11/21)


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