ライフ・イズ・ビューティフル

La Vita e Bella
1998 年 伊
監督: ロベルト・ベニーニ
出演: ロベルト・ベニーニ
ニコレッタ・ブラスキ
ジョルジオ・カンタリーニ


 俳優人の演技もすばらしいし、ヒューマンな暖かさがあるし、しかも極限状態におかれたなかでのユーモアの強さが描かれていて、この映画の評価が高いのも分からなくはない。でも、そうすっきりと感動できなかったのが正直なところ。
 ユダヤ人収容所をテーマに扱ったドキュメンタリーなり記録文学なりを目にしていれば、多分「現実」はこんな小ぎれいな話どころではなかっただろうと思わざるをえない。もし私が収容所の生き残りだったら、こんな映画は観たくないだろうな、とも思う。あまりにもきれいな話すぎて、うそっぽい。それどころか、残酷ですらある。なんで収容所を舞台にしなくてはならないのかが分からない。
 ユダヤ人であること自体が死に値する、という理不尽すぎる状況に置かれて殺された人、あるいはそこから生き延びてきた人を題材にして、そんな状況を理解することなど絶対にできない「私たち」を感動させていることに、ためらいを覚える。
by kiryn (2001/10/9)


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