和歌山の海に遊びに行った。いちおう水着ももっていく。台風のあとのせいか、お盆をすぎたせいか、波は少し荒かった。ちょっと寂れたような海辺だったけど、人はいないし、水は澄んでいるし、天気も上々。一日ずらしてよかったと思う。
水際で波と遊んでは、日陰で服を乾かしながら、本を読んでいた。地平線の向こうに船が現れると、本から目を離して、地平線に沿って船が移動するのをみつめていた。風がきつくて、時折顔に砂つぶてがあたるのがうっとうしかったけど、海と空しかない単純な風景のなかにいるのは、なかなかいい気分だった。
旅館のテラスから日没を見て、夜は星空をみた。目が慣れてくると、びっくりするくらいに満点の星空だった。月が満月に近くて、光が強すぎたから、東の方向は見られなかったけど、さそり座と北斗七星と北極星は発見できた。実はさそり座をみたのははじめて。北極星を見つけられたのもはじめて。街中で育っていると、冬空はまだしも、他の季節に星を見ようなんて、あまり思わない。夜もずっと明るいしね。
海はもう真っ暗で、波の音しか聞こえなかった。部屋にもどって、波の音を聞きながら眠りたいと思ったんだけど、防音がしっかりしすぎているのか、窓を閉めていると、ぜんぜん聞こえなかった。こどものころ泊まった旅館では、波の音を聞きながら寝入ったものなんだけど。
海辺ってこんなに涼しいのかと感激していたら、大阪に帰ってきても涼しかった。なんだ、どこでも涼しいのか。フル稼働していたクーラーも久しぶりに休憩している。夏もおわりか。