ドイツの食べ物

宅配でトランクはまだ届かない。電話がかかってきて、わたしのトランクが破損しているという。破損証明書を添付しておくから修理工場に出してくれとのこと。飛行機にのれず、荷物が到着せず、おまけに荷物が破損しているだと?? もう十分わたしはひどい目に遭っていると思うのだけど、この受難はいったいいつまで続くの?

 気をとりなおして、今日はドイツの食べ物について。
 よく言われることだけど、ドイツはパンがおいしい。あんぱんサイズの固くてしっかりした丸型パン(Brot,Broetchen)には、ケシの実やパンプキン・シードがまぶしてあって、それが朝食時には籠にこんもり盛られている。食べる分をとって、パンの横にナイフでキコキコと切込みを入れ、ハムやチーズをせっせとつめこんでいく。とにかく噛み応えがあっておいしい。街中のパン屋さんでも、この手を具入りパンを見栄えよくしたものをよく売っている。

 チーズも種類はたくさんあるけれど、わたしはクロイターKreuterというハーブ入りのクリーム状チーズが好きだった。クロイター入りの食べ物はたくさんあって、きゅうりのピクルスにもWurst(ヴルスト、ウィンナーのこと)にも卓上塩にも入っている。日本で売っているKiriのクリームチーズも、クロイター入りの緑色バージョンがあって、これは日本でも売ってくれないかなと切に希望している。

 南の方にいくと、ブロートは断然プレッツェルBrezelが幅をきかしてくる(ように思った)。(ブッシュ大統領がのどに詰めたというのはスナックのプレッツェルだろうけど、これはまずかった。向こうのスナック菓子は旨味成分がなくてただ塩味がきついだけ。)ドーナツ形パンの一種の変形で、真中にくるんと一編みした「人」の字みたいな部分がついている。岩塩がまぶされてあって、これはプチプチ落として食べないと、わたしには少し塩辛すぎた。地域によっては縁起物でもあるようで、ハイデルベルクでは3月のある日曜日に春を迎えるお祭りをしていて、こどもたちが色とりどりの紙で飾り立てた棒のてっぺんに、このプレッツェルを差していた。
 
 毎晩のように食事は、ビール・ウィンナー・チーズ・ピクルス、それにパスタをゆでたものやクヌーデルというジャガイモ団子を食べていて、最後の方は少々飽きが来ていた。食べに行った先で選んだのは、白アスパラガスのソース和え。これは一度食べてみたかった。なんせ自分で調理するにも調理法が分からないし。ドイツの全般的にこってりした食生活のなかでは、これはかなりあっさりしたものだった。

 デザートにはやっぱり果物。スーパーの量り売りで買ってきて、りんごもプラムもスモモもブドウもそのまま皮ごと食べてしまう。皮をむく習慣は向こうにはないみたいだし、それに皮ごと食べてもぜんぜん平気なくらいおいしい。よくビニール袋に入れてもっていって、お昼ごはんの後にも食べていた。
 ドイツのケーキはでかくて大味で、クリームはどっさりかかっているけど甘くない、と聞いていたんだけど、カフェでそのまんまのケーキを食べたので妙にうれしかった。あぁこれかーというかんじで。一回食べたきりで、その後ケーキを買う気にはならなかったのも確かなんだけど。日本のケーキはなにゆえにああもデコラティブでおいしいんでしょう?
 それからヨーグルト! 日本でも毎日食べているくらい大好きだけど、ドイツでは目移りするくらいヨーグルト商品が多い。フルーツ入りやチョコレート入りの甘いヨーグルトをスーパーで買い、朝はホテルのだすフルーツ・コンポートとヨーグルトを食べていた。ちょっと、糖分と脂肪分を摂りすぎたかなーと反省するところもあるのですが・・・。

 全般的に、糖分・脂肪分・塩分・アルコール分が多すぎる食生活事情だから、油断するとすごいことになりそう。おまけに日本より断然安いから、油断に拍車もかかるというもの。
 日本に帰ってきてからは、鮪の刺身をごはんでいただいております。おいしいですね。あつあつごはんに山葵醤油の鮪の刺身。やっぱ、魚系が不足してたんですね。