この戦争のもたらす最悪の影響とはなんだろうか。
アメリカの思惑はフセインを倒して、親米政権を建てること。国際世論の反発と国連の支持を受けられなかったことを思えば、短期決着が何よりも望ましいと考えているだろう。無駄な殺戮を増やさないためにも、今の状況ではそれを願うしかない。
長期化した場合、追い込まれたイラクが生物・化学兵器を使ったら、米兵の死亡、イラク兵・一般市民の死亡はうなぎのぼりになるだろうし、国際世論の反発はさらに激化するだろう。5年10年のタイムスパンでみると、テロリストを育てる土壌をさらに肥やすだろう。結果的に、テロを根絶するための戦争がテロを醸成する原因になったというシナリオになりかねない。
だから短期決着は何よりも望ましい。
けれどもはたしてそうだろうか。
もし短期決着して、アメリカの楽観的な筋書き通りに事が運んだら、アメリカは今回のやりかたに自信を見出すだろう。世界はアメリカの成功の前に沈黙を余儀なくされるだろう。そしてすでにささやかれている通り、次は北朝鮮が標的になるかもしれない。そうなった場合、世界は北朝鮮に対して、圧倒的な武力を振りかざす形でしか向き合うことができなくなるのではないか。アメリカの成功は、他の選択肢をほぼ封じてしまった。
もしアメリカの思惑が外れて戦争が長期化した場合、アメリカはこのやり方に対する反省を迫られるだろう。武力でものをいわせるやり方、正当性の裏付けを欠いた武力行使のツケを払わされるだろう。そうなったほうが、世界の別のあり方を模索する余地を残すかもしれない。ただその場合でも、テロの脅威は増すばかりだろう。
どちらもシュミレーションにすぎないけれど、暗いビジョンしか思い浮かばない。
こんにちは。
戦争に対して新しいテーゼを出せないまま、愚かな間違いを繰り返す人類というのは、J・E・ラヴロックの「ガイア仮説」ではないけれど、地球の癌細胞みたいなものかもしれないですね。最終的には自滅するのに、他の種を食い潰すという。
過去、本当の意味で新しい秩序と平和をもたらした戦争というのは、僕が知っている限りありません。きっと今度も同じでしょう。
だからといって戦争という手段を頭から否定できない自分に驚いています。
こんばんは。
この「戦争」はあまりにも暗い展望をもたらしそうで、どうも気が滅入ってしまいます。
戦争一般をつきはなして見れば、人間の歴史から戦争を取り除くことはできなくて、人類とはそういうものであると結論づけることはできます。
ただ一方で、戦争は「悪」だと、譲歩しても「必要悪」であるとわたしたちが認識してきた面も、否定できないわけです。それで、なぜ戦争は「悪」なのかということを追及していくと、やはり倫理の問題にぶつかっていくのだと思います。
戦争があるという「事実」と、それは悪であるという「倫理」と、この衝突をどう捉えるのか、なかなか難しくて、答えはでません。
ただ、アメリカは敵/味方の二元論でびっくりするくらい世界を単純化してくれました。言葉の軽視はほんとに呆れてしまうくらい。でも、「戦争反対」の論理も同じくらい単純な気がして、これもまた気が滅入ってしまいます。
なんだかごちゃごちゃ書いてますねー・・・。テンションが下がるとこういうかんじになってしまうのです。どうかご容赦を。