ソダーバーグ版「ソラリス」、まだまだ続く!?

↓でまたもやコメントがたくさんついたので、もういっぺんこっちに移動します。(しかしもうそろそろネタは尽きるか?)
nozakiさん
>あの女優さん、リアルじゃない美しさでした。この点が二つの映画の根本的な、決定的な違い。
ここで明暗が分かれましたか〜。ソダーバーグ版の〈レイア〉はきっと人間臭いのですよ。恋愛中心ならあの〈レイア〉でもわたしは許せますね。でも蘇生のシーンは、絶対タルコフスキー版だなあ。
>最近『ノスタルジア』を久しぶりに見ましたが、この映画に出ているイタリアの女優さんもただならぬ美しさだと再認識しました。
なんとなく覚えているよーな、、、ルネサンスの絵画にでてくるみたな人でしたっけ。パンフをもう一度出してこよう。「ノスタルジア」の主人公は、わたしにとっては、インテリ・エグザイル・ロシア人の原型です。「鏡」の母の、あの物憂い眼差しも忘れがたいです。
sowさん
>「現代のCGを使って、タルコフスキー版ソラリスを再現してみました」じゃあ面白くないと思ってしまうんですよねー。
あのソラリスは映像的にどうでしょう? わたしは正直、印象に残りませんでした。ストーリーにおけるソラリスの位置づけの低さも関わってるかも。
>オタッキーというのは、全体的に見て「微妙に震えてる人」ではないでしょうか。多分それならスノーですね。
「微妙に震えている人」・・・た、たしかに。nozakiさんがお気に召さなかった人は絶対スノーですよ。スナウト→スノー。重要な役だと思うんだけど、入れ替わっているという時点で、「はぁ?」てなりましたわ。

ソダーバーグ版「ソラリス」、まだまだ続く!?」への14件のフィードバック

  1. sow

    sowです。
    正直僕もそれ程印象に残る映像ではありませんでした。しかし、地球での映像は全般的に良かったです。なんというか、ハードボイルドでシック(?)な色使いにぐっときました。正直、CGを使って凄いの作ったぜー、でなくて凄くほっとしてます。
    あと凄く残念だったのですが、レイアとの無重力シーンが無かったことです。当時だからこそ驚いたのかもしれませんが、今でも上手く撮れば良いシーンになったんじゃないかなぁ、と残念でなりませぬ。
    蘇生のシーンは完全にソダーバーグ版の負けだと思います。
    やっぱり、映像や音の使い方はタルコフスキーが二・三枚上手ですよね。

  2. nozaki

    私のほうはもうネタがつきました。
    >なんとなく覚えているよーな、、、ルネサンスの絵画にでてくるみたな人でしたっけ。
    そうですね。ボッティチェリの絵の中の女性みたいな人でした。

  3. kiryn

    >私のほうはもうネタがつきました。
    nozakiさん、お付き合い、どうもありがとうございました^_^
    >映像や音の使い方はタルコフスキーが二・三枚上手ですよね
    まあ、これはそうですね。sowさんも仰るように、ソダーバーグのも決して悪くはありませんが。
    無重力シーンですか。あれが起こる場所って図書館なんですよね。それでもって、わたしは(逃避の結果?)ついに、レムの『ソラリスの陽のもとに』を読んじゃいました。原作にはこの図書館がよく出てくるのですよ。つまり、図書館=ソラリス学の知の集積。
    原作読むと、レムがソラリスについていかに力をこめて描いているかがよく分かります。ソダーバーグ版ではソラリスの存在価値の薄さが気になりますが、あらためて原作から逸脱しすぎに思いました。

  4. あざらしくん

    kirynちゃんも原作を読み終わりましたか。私も逃避で読みました。
    原作はまるで舞台劇を小説化したかのように、舞台はソラリスのステーションの中だけなのですよね。中心に図書館、その周りに人間とお客がうろうろ、そして外壁の外はすぐにソラリスの海。凝った舞台装置です。タルコフスキーは地球でのシーンを説明過多にならないように上手に織り込んでいるけど、ソダーバーグ版ではどうなのかしら?
    某掲示板にも書いたけど、レムはソラリスの「超」論理性を、女性の「非」論理性を通して表現したようにも思えるのです。「愛」とかいって受容してしてしまっては、原作からあまりに逸脱しすぎですよね、、、(クリスが受容しているのは、また別のレベルでのお話ですよね)

  5. sow

    sowです。
    そうですかー。
    これはやはり原作を読んでみないと駄目なようですねぇ。
    レムがどこまで考えていたのか、どのくらいの幅まで想定していたのか。
    ますます楽しみになってきました。

  6. kiryn

    あざらしさん、sowさん、おはようございます。
    さすがあざらしさん、ソラリスの「超論理性」を女性の「非論理性」で表現する、とはうまい表現ですね。
    レム自身はソラリスに対して、「不完全なる神」という言葉を投げかけていたのが非常に印象的でした。人類が何世紀もかけてソラリスに関する〈知〉を蓄積してきたのに、その営みなど一蹴してしまうほどのソラリスの圧倒的な無頓着さ、とでもいうのでしょうか。
    もてあそばれている、というのは人類側の解釈でしかありませんが、意味付けの不可能さを受け入れるしかない、というかんじでした。もはやこれは一種の〈神学〉なのでは?という気もします。
    そう考えると、ソダーバーグのソラリス無視はかなりイタイです。そもそも〈レイア〉自身、非常に「論理的」な人物として描かれています。彼女との関係に終始してしまって(よって、地球上での経験は丁寧に描かれています)、クリスが、彼女を通してソラリス問題に目をむけるという視線がないのですね。
    比較するとおもしろいのは、やはりレムとタルコフスキーということになりましょうか。レムはタルコフスキーのも気に入らなかったと聞きます。ソラリスについての解釈の違いがポイントかしら。

  7. あざらしくん

    やっほ、kirynちゃん、
    >そもそも〈レイア〉自身、非常に「論理的」な人物として描かれています。
    それはいけないわね、、、怖くないじゃないですか、、、
    >レムはタルコフスキーのも気に入らなかったと聞きます。
    タルコフスキーはかなり原作に忠実ですよね。「タルコフスキーは原作をそうとう読み込んだんだろうな」と感じさせられました。レムが気にいらなかったとすると、地球でのいささか説明的な部分(原作では舞台はステーションに限られるので、わざわざ図書館を用意してクリスに読書させている)とかかしら?でもあれがないとタルコフスキーの映画じゃなくなっちゃう、、、それともラストかなー。あれも地球での映像が伏線になっていて、独自の解釈ですよね。
    原作の方が書き方がストイックですよね。

  8. kiryn

    おはようございます、あざらしさん。
    タルコフスキーの映画って(他のも)、女性=〈他者〉である感が強いと思います。二分法的というか、、、でも「ソラリス」に関しては成功していると思います。〈ハリー〉の神秘性は非論理性でもありますのね。
    >タルコフスキーはかなり原作に忠実ですよね。
    これはほんとに同感! あの謎の巨大ベビーの話とか、ソラリス問題を扱う専門家の群れとか、ハリーが素手でドアをぶち壊すとか、ちゃんと原作にあったんですね。
    違う点は、ソラリスの位置付けとその反射としての人類の位置づけじゃないのかなー。レムの場合、「超論理的」なソラリスの反射として、人間の論理性も知性も倫理性も蹴散らされるような印象がありましたが、タルコフスキーの場合は、最終的に人間の倫理的側面がクローズアップされてたような気がするんですよねー。

  9. 木谷梨子

    そろそろソラリス話も終わる頃でしょうか……。
    レイア、リアルな美人さん。私はああいう感じの人、結構好みでした。笑。レイアさんって、存在感はリアルなんだけど、どこか不思議な感じの顔立ちではあった。映し方も謎めいた感じを出そうとしているような気がしました。この作品のヒロインって、やっぱり神秘的な印象があるのかもしれないな〜と思いました。
    でも……、
    この映画、観た時はそれなりに面白くて涙も流しつつ鑑賞していたんだが…、日が経つにつれて印象が薄くなっていってしまってます……。今から忘れてしまわないかと心配しているよ…。観たばっかりなのにな〜。
    原作の印象は、読んだあともずっと残る感じなんだけどな〜。う〜ん?

  10. kiryn

    こんにちは、梨子さん。
    >日が経つにつれて印象が薄くなっていってしまってます
    わたしも同じです。なんか不思議ですよね。レムとかタルコフスキーとか、比較の対象がなければ、もっと印象よかったのかな。それとも、比較の対象がなければ、もっと印象に残らなかったのかも。
    いやーでもレムおもしろいですね。他のもぜひ読んでみたいと思いましたよ。

  11. あざらしくん

    kirynちゃん、こんにちは
    レムの作品を読みたいなと思ったら結構絶版になっていたり、サンリオ文庫ゆえに絶版に追い込まれて古書店で高額で取引されていたりで、うーーむ、、、といった状態だったのですが、なんと国書刊行会から「スタニスワフ・レム・コレクション (全6巻)」が刊行されるのですねー。びっくり。
    http://www.kokusho.co.jp/ki
    これもソダーバーグ効果?!

  12. kiryn

    うわーこれは朗報ですね。あざらしさん、情報さんきゅ! わたしはレムの作品は『完全なる真空』しか読んだことなかったけど、読みごたえあったし、『ソラリス』もすごくよかったので、コレクションには期待大です。

  13. 『ソラリス』に感動を覚え、勢いでこのPAGEに来ました。
    原作を読んだこともない私が物申すのもなんですが、近年の会心の作と思います。
     皆様が(ソラリス)を何物かという論議に対し、自分なりの見解としては『普遍的な欲望』と捉えます。多くの人々が日常の中で現実の限界を知り、自らはここに在らずと逃避を望んでいると思います。そこに直面する恐怖こそがこの映画の表すところと感じます。(ソラリス)は日常で目をつぶるところなのかも知れません。
     基本的に人々は(ソラリス)からできれば遠のくでしょう。しかし、そこから逃れられないのは自分の限界を見るからでしょう。

  14. kiryn

     雅さん、はじめまして。書き込みありがとうございます。
     ソダーバーグ版ソラリスは、たしかに人間の心理面に迫っていく迫力がありましたね。クリスがレイアと「再会」したことが、逃避したものとの直面、恐怖との直面なのか、それとも別の意味をもつのかは解釈の幅があるかもしれません。
     いろんな解釈をひきだすあたり、「ソラリス」問題は原作や映画のなかにとどまらず、わたしたちの生そのものに訴えかけてくるということなのでしょうね。それだけインパクトがあり普遍的な問題を扱っているということなのでしょう。雅さんのコメントを読んでそう思いました。

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