狂おしい愛

 ドストエフスキーの『虐げられた人びと』を読んでいる途中。これは(これも)おもしろい。いくつか読んでみると見えてくるのだが、激しい恋愛感情に身を委ねる登場人物たちは、ドストエフスキー独特のパターンなのだなと思う。この本でもナターシャとアリョーシャという恋人同士がでてくる。ナターシャの狂おしい愛を、「前後の見境もなく愛することの快楽を、そして愛する人間を愛するがゆえに苦しめることの快楽を、ナターシャはすでに味わっていた」などと、少々シニックに表現されると、ああうまいなあと思ってしまう。読むのが遅いわたしにしては、いつになく早く読み終わるかも(?)。

狂おしい愛」への2件のフィードバック

  1. 木谷梨子★

    ドストエフスキー。何か読ませられちゃいます……。
    ドストエフスキーとkirynちゃんって、何か合っているところがあるのでしょうか。以前にも面白いって書いてましたよね、地下室の手記だったかな〜。引きこもりになるくせに外の女に惹かれてしまう、相当屈折した男が出てくる話。ドストエフスキーのそういう「分裂気味」なところ、すごく面白いと思います。

  2. kiryn

    とにかくわたしは、小説は読むスピードが遅いというか、なかなか世界に入り込めなくて、いつまでもほったらかしにしてしまうという、悪いクセがあります。ドストエフスキーも最初はそんな感じでなかなか読み進めなかったのですが、いくつか読んでいくと、その世界の法則が見えてくるんでしょうね。で、今は何読んでもおもしろい、という状態です。
      
    『虐げられた人びと』読みました。これはかなり初期の作品なのかな。『悪霊』とか『カラマーゾフ』に比べると、登場人物の性格がいささか甘い。でものちの主人公たちの原型のようなものが見えて、おもしろかったです。
    ともあれ、ドストエフスキーの描く恋愛って素直じゃないねー。完璧に支配と服従型。仰るように、『地下室の手記』の主人公も相当屈折していたけど、彼女・彼らのあの屈折具合がたまらないのかしら?

コメントは停止中です。