ミュンヒェンのレーンバッハ美術館には、1900年代からのカンディンスキーの作品がそろっている。年代を追ってみていくと、具象から抽象への流れが分かっておもしろかった。この一筆のラインは、袖の部分だったんだなとか、この丸は人間の頭だったんだなとか。こんな観方が正しいのかどうかわからないけれど、芸術家の作品をまとめて見るというのは重要だ。
でもカンディンスキーの抽象化志向は、他の仲間たちよりも群を抜いている、というか、ひとりだけぶっとばしているかんじだ。もっと抽象度が進んだ時代の作品はみんなが欲しがるからか、ここの美術館には一枚しかなかった。ベルリンの美術館にはもう少しあったのになあ。
『点・線・面』という彼の本もいちおう本棚に並んでいるので、ちゃんと読んで見なきゃ。20世紀初頭のドイツは、なかなかおもしろいのだ。