読書&ヨーグルト

 今日の大阪は35度。頭クラクラ。あまりの暑さゆえ、ついにヨーグルトは常温発酵できるようになった。別にカスピ海でもなんでもないので(スーパーで買ってきたブルガリア)、今までちゃんと保温していたのだけれど、ほったらかしでもできてしまった。とってもラクチンでちょっと感動。食中毒の季節はヨーグルト菌の季節でもあった。発酵物バンバンいけます。
 例によって逃避といえば逃避の読書。
 ただいま住谷一彦『日本の意識』(同時代ライブラリー)を読んでる途中。固い本だけど、これおもしろい。河上肇、伊波普猷、柳田国男と、ビッグネームゆえ名前は知っているが知っているだけ、なわたしでも読んでしまえる。
 筆者によると、 タイトルはDas Japantumの意訳。日本という「くに」に住む人々がこの「くに」について意識することがら、意識された存在、を意味するものらしい。オムニバス的に彼らの思想的エピソードが語られるのだが、これはもちろん意図された方法。
 「本書は或る一つの思想が、日本「近代」が孕む何らかの問題を担うことによって、その問題を解こうと努める過程において、或る機縁で他の思想を担う人間と出合うことを通じて、つぎつぎと思想空間のなかでその問題の継承ならびに新たな展開を遂げていく、そして、その問題が孕む内容の多面性、多重性が自ずと開示される、そうした思想のダイナミズムを、いわば担い手である人間相互の絡み合い、結びつき、離れ去っていく「人間の鎖」(黒岩重吾)を追求することによって解明しようと意図するものである。」(242頁)
 「出合い」がもたらす精神の火花をつなぎあわせ重ね合わせ、そうするなかである形象を浮かび上がらせるという手法だろうか。思考力の力強さと重厚さを感じさせられる。しかし、自分で書いててなんだが、ヨーグルト菌とずいぶん落差のある話ではあるにゃ。