「ボウリング・フォー・コロンバイン」、テレビで放送されていたので流し見した。前に劇場でみたとき、カナダの人々はとてものんびりしているという話に対して、いまひとつ実感がなかった。アメリカから遊びにきた黒人が、カナダでは緊張がとける、受け入れられているかんじがする、人種の壁が低い、と述べていたことに対しても、実感がなかった。北米を通りすがってきた今では、自分なりの実感をもって、そのとおりだと思うようになった。
よくアメリカは人種のるつぼ、カナダは人種のモザイクといわれるらしいが、なるほどなと思う。カナダでは空港や公共機関のなかからして多人種がまじりあっている。皮膚の色合いが異なることが何でもないこと、あたりまえのこととして、自然に受け止められている気がした。わたしにとっては、アメリカでは圧倒的に数が少なかったアジア系の人々がたくさん住んでいることが、緊張をほぐさせる要因だったかもしれない。観光客には見えてこない問題もあるだろうけれど、外国に住むならこういうところがいいんじゃないかと思った。