本棚の奥から森茉莉の『甘い蜜の部屋』を引っ張りだしてくる。いつもは手軽に読める文庫を手に取るのだけれど、今回はハードカバーの初版のほう。殺伐とした日常から、せめて夜寝る前だけでも手っ取り早く別世界を堪能したい・・・そんな欲求が、森茉莉のハードカバー版に向かった。なにせ、あの美文に加えて、ハードカバー版は旧かな遣いなのだ。ああ、もうため息つくくらい別世界・・・(もはや森茉莉は癒しアイテムと化している)。
ついでに『マリアの気紛れ書き』など引っ張り出してくると、『甘い蜜の部屋』の執筆後の話とかけっこうたくさん載っていて、これはこれでおもしろい。森茉莉はピイタア・オトゥールに思いいれが強かったけど、モイラの物語とは別に、オトゥールをモデルに小説を書きたいとか言ってる。
「私は将来、小説家としてもっと成長したら、オトゥールとオマアシャリフとをモデルにして、大人の恋物語を書きたいと思っている。男同士の実験心理学と英文学との二人の助教授の話である」とかなんとか。
この話って書かれてないよね?? 「日曜日には僕は行かない」とは別の話だよね? 気になって眠れない・・・。
ああ!耽美の金字塔ですー。アラビアのロレンス、ですかぁ。
オマアシャリフもすっかり好々爺になりましたね。「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」を映画館で観れなかったので借りてこようかな。ピイタアのほうも妖精のお話映画に出ているのを観たわ。2人とも老いては人畜無害となっていい味出しているのに、森茉莉は最後の最後まで上昇していたんですねー。女性は凄いわ。
メアリさん、こんにちは。
「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」って映画知りませんでした。
http://www.gaga.ne.jp/ibrahim/
ユダヤの少年とトルコのおじいさん、舞台はパリ。『ニューシネマ・パラダイス』な設定に、とっても現代的なテーマがかぶっていて、おもしろそうです。ピイタアのほう、最後にみたのは『ラストエンペラー』だっけ? 老いてもブルーアイが美しい人でした。
>森茉莉は最後の最後まで上昇していたんですねー
そうですね。といっても、彼女が活躍しだしたのは50才代だったように思うから、ほんと遅咲きの人です。スロースターターもいいとこですよ。あの枯れてなさは見習いたいです。
しかし、ピイタアとオマアシャリフの大人の恋物語って・・・発想は同人なシトたちと変わらないよな気もしますが、そこは森茉莉マジックが働くところ、超耽美な世界が出現したことでしょう。読みたかったわ…。
ついでにいうと、森茉莉が昨今流行りのオトメ路線に吸収されるのには、なんか違和感覚えてます。ノバラちゃんで勝手にやっててくれって思っちゃう。
こんにちは
いきなり濃いカキコしちゃいそうで、、、
すみません。
懐かしい。森茉莉さん。赤江瀑さんも同じ頃に読んでました。
しかし
>ピイタアとオマアシャリフの大人の恋物語っ
凄い!本当にそれだと同人ですよ〜。どきどき。
そういえば、神坂智子さんの「T.E.ロレンス」って友人間で流行ってましたがご存じですか。
オトゥールは、端正ですよね。
あの「TROY」でもご出演で、たいそう綺麗な感じでした。
めりのさん、こんにちは。
赤江瀑さん。なつかしい名前です。わたしも何冊か読んだ覚えがあります。どっぷりハマることはなかったですが。
>本当にそれだと同人ですよ〜
やっぱそう思いますよね〜。
その昔、栗本薫さんが彼女に影響受けたとかいわれていたように思うので、系列的にはつながっているんでしょうね。それでも、当時未開拓の地を一人で驀進しておられたので、やっぱすごいです。ある意味オリジナルですね(発想が同人じゃん!てツッコミが入るにせよ・・・)。
>神坂智子さんの「T.E.ロレンス」
すいません、わたしこのマンガむちゃくちゃ好きでした。神坂ロレンスを読んでから、映画のロレンスをみたクチです。ついでに『知恵の七柱』とかロレンス関係の本、読み漁りましたよ〜。一巻で描かれていた大学生くらいまでのロレンスがよかったです。十字軍の歴史にハマって、夏休み返上で城砦研究に没頭してたりとか、エピソードの一つ一つが印象に残ってますよ。
読み直したいのですが、もってたマンガは目下行方不明中。どこかに埋もれているのか間違って捨ててしまったか、、、哀しいかぎりです。
赤江瀑さんの小説は、10代の時にほとんど読破してました。といっても、すべてすでに文庫化されていたのですが…あとで揃えようとすると困難だったり。
森茉莉さんのと同時に読みあさっていた時期です。泉鏡花も、ヘッセもゲーテもまとめてどん!が出来るのって本当にローティーン&学生時代だったなぁと。
T.E.ロレンス、お好きでしたか!
私も(連載は読んでいませんでしたが)コミックスは買ってました。
だからオトゥールが好きなわけではないのですが…。漫画の方は、文庫にもなってた気がするんですが、私もどこぞにいってます…。
濃い話題に…(汗)
めりのさん、こんにちは!
>赤江瀑さんの小説は、10代の時にほとんど読破してました。
それはすごい! 赤江さんの作風は耽美+マッチョというイメージが残っているのですが、そんなことない? わたしはもう少し乾いた文体の三島とか、歪んだ色気のある谷崎のほうがよかったかなあ。
>泉鏡花も、ヘッセもゲーテもまとめてどん!
たしかに年をとると小説読めなくなってきます。でも学生のころって、訳もわからず読んでいた感があるので、今読むともっとよく見えてくることもあるんじゃないかあと思うのですよ。もう少し年をとってヒマになったら、またたくさん読みたいです。
>T.E.ロレンス、お好きでしたか!
そうそう、タイトルにT・Eが付いていたのでした。たしかに文庫になっていますね。なつかし買いはあまりしていなくて、、、でも一巻だけでも買おうかなあ。T・Eが離れにある自分の部屋で山ほどの蔵書に埋もれて寝っころがっていた場面とか、もう一度みたい気もします。
またまたおはようゴザイマス。
もっと好きなのは泉鏡花だったり。考え方なんか鏡花には啓蒙されました。森茉莉さんとかタルホとか。懐かしいです。(美術部員だけかな?)というか私の友人達と図書館に新刊がはいると競って一番に借りてというのをやってたような。でも作家の顔で選んで読んでいたりもしました。装丁とか。友人は私の好みとかある程度わかるので「これはいいものだー!」とか言われると読んじゃう(笑)
>学生のころって、訳もわからず読んでいた感があるので、今読むともっとよく見えてくることもあるんじゃないかあと思うのですよ。
そうですね!視覚的な読書というのか、文章を読んでその場面がぱぁっと浮ぶというのが楽しくなると止らないんですよね。だからファンタジーや、SFなんかも、好きでした。完結してから一気に読みたいと思っていて、読まないで我慢してるシリーズ本もあります^_^;リザーブ、リザーブみたいな。
脳細胞が元気な学生時代、判らない単語を全部調べて読破するガツガツした意欲、これが勉強に反映されれば、なんて自分で思ってたりしながらも。貧乏なので図書館ばっかりでしたが。
こうしてWebを彷徨うのも、面白そうな本や映画、音楽なんかを欲しがってるんでしょう>自分が。
kirinさんの読書量や知識にはあこがれます!レビューなども少しずつ読ませてください(^_^)
そうそう三島のあの「憂國」がDVD発売ですね。びっくりー!です。
めりのさん、こんばんは。
長いレスをありがとうございます。
タルホもいいですよね。『一千一秒物語』とか好きでした。チョコレートが「チョッコレット」なのもご愛嬌。でも、
>作家の顔で選んで読んでいたり
これでいくと、タルホはかなりヤバくないですか…? わたしは子供心に、『星の王子さま』のあとがきにのっていたサンテグジュペリの(写真写りの悪い)顔をみてコワかったです。みなけりゃよかった、みたいな。
>装丁とか
そのあたりのセンスは、きっと美術部員さんだったことと関係しているかも。と、絵心のないわたしなどは思います。
>ファンタジーや、SF
これもほんと体力あるうちに読んでおくべきですよね。わたしはこの辺はあまり読んでなくて、情報量少ないのですよ。少なくともSFはハマっておくべきでしたわ(そういや、スタニスワフ・レム、お亡くなりになりましたね)。
>こうしてWebを彷徨うのも、面白そうな本や映画、音楽なんかを欲しがってるんでしょう>自分が。
めりのさんはご自分のアンテナをしっかりもっておられるので、ニーズに沿った情報に辿り着いておられるように思います。
>三島のあの「憂國」がDVD発売
妻夫木くんの?って一瞬思ったけど、それは『春の雪』か…検索してみてびっくり。ええ〜、そうなんだ!
わたし、めりのさんの情報網はすごいと思いますよ。わたしはどうも映画も本も、自分のペースで見てしまうので、流行にはどうも乗り遅れがちなんですよね。サイトやっててよかったのは、こうして最新の情報を教えてくれる人がいることですね^−^