山田章博の『百花庭園の悲劇』と『おぼろ探偵帖』を読む。いつもながら絵の完成度はすばらしい。昔の作品ほど描き込みも少なくなって、いっそう洗練されたように思う。あとあいかわらず引用がすごい。『おぼろ』のほうは、文明開化の明治東京を舞台に心中物・化け物・百物語・怪談・浮世絵テイスト満載。泉鏡花がそのまま物語に登場してくるのもご愛嬌。
鏡花つながりで、『婦系図』を読み始める(多分なかなか読み進まないなー)。江戸っ子弁って難しい。あと『聊斎志異』も併読。こちらは中国民間伝承の不思議譚が満載。もう普通に壁の絵のなかに人が入っていったり、幽霊と会話したりして、短編ばかりだけどおもしろい。
こんにちは。山田画伯は凄いです。
結構いたんでる「人魚戀生」がまんだらけでプレミアついてて…
うっとりと見ほれる絵を描かれますよね。
大好きです。この方の絵だけは文庫まで待てない(というか大きな本でみたい!)です。
「人魚戀生」なんてたまんないですよー。
ファンになってから、過去作品をおってゆくのですよねぇ。
鏡花作品は、池上遼一さんが描かれてました。(絵、好きなんだー)梅雨時って、鏡花のすずやかさが、似合うかも。
めりのさん、こんにちは。山田画伯の件にレスありがとうございます。昔(いまもかな?)「マンガ家」じゃなく「絵師」とも自称されておられましたよね。
『人魚戀生』はもう絶版なんですか? ほんとに初期のころの作品ですよね。昔けっこう集めていたのですが、今回彼の作品を買ったのはほんとに久しぶりなんですよ。
一枚一枚の絵の完成度がすごい分、ストーリー性も必要なマンガという特質上どうなのかという点で読み辛さもあるんだけど、それもまたよしとカルト的信者を得そうな作家さんです(でも書き込みもだいぶ少なくなって、読みやすくなっていました)。
>鏡花作品は、池上遼一さんが描かれてました。
えーそうなんですか。あの画風だと似合いそうですね。何の作品かよかったら教えてくださいね。鏡花作品という点でいえば、中島一恵さんも書かれていました。「海神別荘」だったかな?
山田画伯の今回の作品は、鏡花を登場人物として物語のなかに出しているんですね。ついでに妻となる桃太郎さんも出てきます。
つい、コメントしてしまいました。
『人魚戀生』は、持っていなくて、欲しかったのですが私が探していた数年前は、絶版だったのかな?(いや、初版本が欲しかったのかも…)光と影をあっさりと白抜きとベタ(墨)でひょいっと描かれる気持よさと、紙をなでる筆致の凄みを感じます。自分のBLOGでもちょっと話題にしていたのですが、清水玲子さんの「ジャック」のモデルのPROTOTYPEが山田画伯のタマノミスマルだとか…もうマニアックな話しに。(すみません)
>中島一恵さん
なんだか懐かしい…。
吉野朔実さんの2色カラーで「海神〜」と「美女と野獣」たして割ったような話があって、切りぬいてますね。カラーが綺麗なので雑誌も買ってしまうほどでした。
「百花庭園〜」は連載を読んでいて、珍しく持っていないのですが、なんだか欲しくなってきました…。
>清水玲子さんの「ジャック」のモデルのPROTOTYPEが山田画伯のタマノミスマル
うわ、今点と点がつながりましたよ! 短髪黒髪グラサンってやつですね。あと宇宙人つながり?いやジャックはロボットか。そんなところにリスペクト(?)があったとはー。
吉野朔美さんのその話は知らないですね。でも絵の流麗さはさすがだろうなあと目に浮かぶようです。
「百花庭園〜」もご存知なんですね。なにげに耽美なお話です。アクションや炎上シーンであっても、どこか静的な印象が残る絵です。
「人魚變生」と「BANBOO-HOUSE」、「カフェ・ド・マキニカリス」とか良かったですよねー。「人魚變生」の中の「みづは」が個人的には一番好き。だから私は骨を集めているのかしら?
>吉野朔実さんの2色カラーで「海神〜」と「美女と野獣」たして割ったような話が
それはどれかしら??うーむ。単行本に入ってる?
>「人魚變生」と「BANBOO-HOUSE」、「カフェ・ド・マキニカリス」
『夢の博物誌』と『続・夢の博物誌』も付け加えてください!
「みずは」、いいですね。昭和初期くらいの設定でしょうか? 骨董屋、古びた洋館、幽霊にとりつかれる女、ミステリアスな美貌の青年と、耽美きわまれりな世界です。今思うと、『人魚變生』が一番耽美的かなぁ。「影夫人異聞」みたいな世界も大好きです。夜雀はこんなに初期のころから登場していたのですね。
>だから私は骨を集めているのかしら?
取り憑かれた女の体から貝殻骨の風鈴の音がする、という場面がよかったです。
わたしは今昭和初期に立てられた古ぼけた日本家屋に住んでいますが、それなりにここが気に入っているのは、山田画伯的世界からの影響があるのかもしれません(現実にはネズミはでるし、隙間は多いし、雨漏りもひどかったしで、散々ですが)。
>それはどれかしら??うーむ。単行本に入ってる?
わたしも知りたいです。めりのさーん、教えてください。
こんばんは。Kiryunさん、はじめまして
あざらしくん。
「人魚戀生」は最後のページが好きでした。
「みずは」、ステキですねー。
いつだったか、ドラキュラものを描きたいという見開きカラーの雑誌記事を(数年前)みた記憶があるので、それも期待してます。
「おぼろ〜」私が持ってるのは1991年の雑誌サイズのです。いまはもうコミックスですか?
海神(?)の話はああ、ほんとに鏡花のようって思ったんだけど…たぶん「ぶーけ」か当時の「プチコミック」に載っていたのでは。3人美女がいて、三番目の三の姫が海神に嫁ぐという。
朱赤と黒のカラーもので数ページのものでしたが、さっきひっぱりだしてみた「FLOWER PEACES」はフルカラーのみで、掲載されていません。
掲載されなかったんだろうか・・・ちょっと謎なんです。総てのコミックスを持っているわけではないので、どこかに紛れていないかなぁ。絵のクオリティは今より好きでした。もうすこしねっちり描込んでおられて。
ファイルしているとは思うので、出てきたらおしらせします…>あざらしくん、Kiryunさん。(長文れすでごめんなさい)
山田画伯の流麗・美麗な線とは対照的に、細い硬質な線ですが。
柔らかい線も固い線も、どちらも美しい。
そういえばひさうちみちをさんの線も好きです。
めりのさん、レスありがとう!
>3人美女がいて、三番目の三の姫が海神に嫁ぐという。
あー、待って待って、なんかそれ読んだ覚えがあります。短編ですよねたしか。わたしもあとで本棚探してみます(今はちょっと無理なんで^^)
三番目のお姫様というのであれば、長い髪を留めるピンが一本みつからず、仕方なく髪をたらしたまま舞踏会に出たお姫様が王子様に見初められる、というお話が(多分)萩尾さんにありました。三人姉妹物って、探すとけっこうあるかもしれませんね。
>細い硬質な線ですが。
吉野さんの絵はそうですね。そのせいか、色気はあまり感じないです――そこが特徴だし好きなところでもありますが。
>いまはもうコミックスですか
「おぼろ」コミックスで買いました。登場人物は『紅色魔術団』(タイトルおぼろげ)の姉妹編っぽい構成ですね(作者は別物と言われておられますが)。百物語の妖怪登場のシーンはすごかった!
>ひさうちみちをさん
独特のラインですよね。エロ度が高めなのでわたしはあまり好きな作家さんではないですが、、、そういや、前に古本で山田&ひさうちの合作特集本みたいなのゲットしたことあります。捨ててしまったけど…今思うともったいないことした。
吉野さんの海神の話は、『天使の声』という作品に入ってました。「残夢(のこんのゆめ)」という短編ですね。なかなか味わい深い話です。三の姫と海神の悲恋物でした。
おお!そうでした!!
私、あの「天使の声」だけコミックス持ってないんです・・・。当時ベストなマンガ家さんだったのに。装丁もステキですよね。
たしか買いそびれていて、友人が貸してくれて、買った気持になってた(というか連載物は連載中に読んでいた・・・気がします)
そうそう。残夢(のこんのゆめ)でした。
あの海神って公子の大人しめVerでありルックスはああいう感じです・・・脳内の話ですが。
これですっきりしました!ありがとうKiryunさん!!
そうそう。ひさうちみちをさんは、Junaのパースペクティヴ・キッドで知ったので、
最初はギャグマンガ?なのかとおもってました。あとで、他のを少し読んで驚きました。絵柄はミュシャの塗絵みたいで好きなんです。鼻とあごの線。
めりのさん、こんばんは。
わたしも言われるまで、この作品のことは忘れてましたよ。装丁はほんとに素敵です。内容は全般的に暗いトーンでした。
それにしても、鏡花っていろんな人に影響を与えていますよね。脳内にはどんなイメージが広がっていたんだろ・・・。
ところで、ひさうちみちおですが、
>ミュシャの塗絵みたいで好き
>鼻とあごの線。
そーいうもんなんですかー。
挿絵程度で書いてある分には、あの独特のつるんとした感じもおもしろいですけどねー。ご本人も、どっかの劇団とかで登場されているのをみたかぎりでは、やっぱ
「なんかヘンな人…」
みたいな感想でした。
>挿絵程度で書いてある分には
「挿絵程度」ですよ、私が知ってるのは。
(しかしkirynさんは、意外な箇所で意外な反応をされる方だなぁ。ひさうちネタがそんなに「Kirynさんに受ける」とはオドロキ。)
山田先生との合作があったなんて。知らなかったです。実際の本をみないとなんとも言えないですが楽しそうです。
http://www.amazon.co.jp/exe…
「大人養成講座」の挿絵描かれていたでしょう。
「固い描線」で、(少女マンガ以外で)巧いと思う絵描きさんですね。
ただ、私は「ご本人(個人)」にまで「興味」を持てませんが。
Kirynさんは、マニアックな劇団にもお詳しそうですね。
私は一般的な舞台しか観ていません。たいがい大劇場で、豪華なパンフレットがあるような作品です。
出身校絡みで美大系の演劇には誘われたことがありますが、東京だったのと日程が微妙で行けなかった思い出があります。とても面白そうだったのですが。
閑話はさておき。(鏡花から逸れちゃいました、)
鏡花の世界観、いま歌舞伎座に花開いているのでしょう・・・行きたいけどなかなか無理かな〜。
めりのさん、おはようございます。
>ひさうちネタがそんなに「Kirynさんに受ける」
この耽美な流れでなにゆえにひさうちみちお!?という落差についついツッコミを入れてしまっているのかも〜。でもでも、ほとんど読まず嫌いですよ。
>山田先生との合作
もうあまり覚えてないんですけど、お互いの対談とかもあったような。どっちにしろ捨てちゃったんだよね〜もったいないことした。
あとわたしは劇団系はぜんぜんダメですの。なんか、見に行ってもノリについていけなかったというか…。だから映画派なのかなぁ。ひさうちさんのは多分劇団シンカンセン(←字忘れた)か何かに出ておられたのを、テレビで見たのだと思います。でもこれも食わず嫌いだから、劇も機会があれば見に行きたいです。
しかし、リンク先の『イケズの構造』って本、おもしろそうですね。日常感覚としても、大阪だとモノの言い方が直接的ですが、京都は間接的な気がしますものね。それにしても、京都弁シェークスピアっておもしろそー。英語(←米語ではなく)と京都弁は通ずるところがあるのか?・・・なんとなく共通項があるような気もする。
JUNEでの作品、耽美でしたよ。キッドという青年が、たぶん不死者で(Vampire?)さすらう話。
劇団☆新感線好きです?
(あそこの舞台は大変そう…)
絵描きについては、絵でしか評価できないんです。価値ってそこにあって綺麗かどうかだから。
芸術は作品で評価します。
美形だから好きになってたら毎日、リストですかね(若い頃美形)、パガニーニ聴けなくなっちゃいます(ルックスと私生活は・・・)。
小説家なんかも、(作品と本人にギャップがないと良いけど)私生活って知りたくないかも。画家は特に。
『イケズ』本はオモロイですよー!(立読みしました>こら)
そうそう、間接的な気がするけど、京都の人は直球投げてるつもりで「消える魔球」。こう、喰らってるとあて身(恐怖)だったり。
私も、キャンディのことを「あめちゃん」といって東京の人に変な顔されました。
いうよね?ビバ!関西です。
そんな私は京都が大好きです。京都人にならイケズされても「ま、京都の人やしねー」と穏やかでいられるかも??
「あめちゃん」って言います。そんなにヘンなのかなー? イケズ本、わたしも見つけたら立ち読みしよー。ひさうち氏の絵もおもしろそうだし。
>JUNEでの作品、耽美でしたよ。キッドという青年が、たぶん不死者で(Vampire?)さすらう話。
それが山田画伯の作品ですか?(まさかひさうちさんじゃないよね!?) 単行本になるのを楽しみにしています。なんだか耽美な設定にワクワクしますね。
芸術も小説も、作家の顔で判断してるとエライことになるよな気が・・・。基本的に別物、たまに写真みてドキッとするぐらいがよかですたい。
・・・答えにくいかも。
>それが山田画伯の作品ですか?(まさかひさうちさんじゃないよね!?)
>単行本になるのを楽しみにしています。
>なんだか耽美な設定にワクワクしますね。
「耽美な設定」ですが、この話は
「ひさうちさんの作品」です。静かに怖いモダン・ホラー?ミステリ?風。
「読者層を考えてなんでも描いちゃえる人」っています。デザイン屋の仕事していたような人は、案外多いかも。
ひさうちさんの話って。
たいがいJUNE読者しか通じない場合が多かったので、マンガ好きという方でも、案外ご存じない。
私は「知らない」場合、ことさらつっこんだ説明をするほど(ひさうち氏について)詳しくないですね…。でも別ジャンルを支持していると思われるのは困る…。
ひさうち作品は、Kiryunさんの方がより多くご覧になっているようです。
編集者(担当?)がかなり関わるらしい、職業だときいています。
(好きにやらせて貰えるプロって、かなりラッキーらしいと聞きかじってもいます)
女性は「キッド」しか知らない人も、案外多いのではないかと。
>芸術も小説も、作家の顔で判断してるとエライことに
美形、ではないかもしれないけど、橋本治さんは尊敬してます。
長引いちゃいました、このへんで!
めりのさん、こんにちは。
めりのさんからの情報で、知らないことが多いわ〜とあらためて思いました。
ひさうち氏ってJUNEにも描いていたのですか。
>「読者層を考えてなんでも描いちゃえる人」
たしかにそうとしか言えないわ。あまりにもわたしのもっていたイメージと違ってるんで、勘違いしまくりです。
>たいがいJUNE読者しか通じない場合が多かった
この「ひさうち像」をプロトタイプと思うと、それまたエライことのような気がします!(おもしろいけど)
>橋本治さん
桃尻娘シリーズはおもしろかったです(古いな・・・)。多才で毒舌な人ってイメージです。