2010年はわたしにとって特別な年になる。
この1月に赤ちゃんが生まれた。男の子だった。
今はひたすら眠っては、泣いて、おっぱいを飲むことをくり返す子のそばで、ただただお世話にあけくれている。日常の世界から切り離されて、暖房をつけた暖かい家のなかでおこもりしている。外に出る気もしなかったし、長い間PCを開く気分にもならず、テレビを見る気もしなかった。徐々に日常の感覚をとりもどして、買い物に急ぎ足ででかけたり、PCを開くようになってきている。前と変わらない時間や空間があることが不思議でならない。道路を走る車の騒音や、自転車にのって走ってくる人、買い物をしている人など、いつもと変わらない光景のはずなのに、わたしだけが異邦人になってしまったようで、知らない国に迷い込んだような気分になる。
今は自分の時間と労力のすべてをこの子につぎ込んでいる。今だけの特別な時間。外は寒く、内は暖かい。
少し早く生まれたので、お産のはじまりは気が気がじゃなかった。生まれたあと、助産士さんが寝ているわたしの横に連れてきてくれた。小さな顔に一重の目がすぅっと横に伸びていて、時々舌をぺろっと出している。指には紅色の小さなきれいな爪がついていて、少しふやけていた。白くきれいな顔をしていた。産後わたしの体は寒気からくる震えがとまらなかったのだけれど、バスタオルにくるまれたこの子を抱っこさせてもらうと、ほんのりと暖かくて、体の震えもゆっくりとおさまっていった。無事に生まれてきてくれたことに涙がとまらなかった。おなかのなかにずっといた子はこの子で、こんな顔をしていたのかと思うと、不思議な気持ちになる。会いたかったね、やっと会えたね、よくここに来てくれたね。
おなかのなかにこの子がもういないという寂しさと、やっと会えたという喜びと、無事でよかったという安堵感と、いろんな感情が一気に押し寄せてきた。いずれこの子との生活も日常のなかに溶け込んでいって、あたりまえのようになっていくのだろうけれど、子どもとの出会いは奇蹟のような瞬間だった。特別な存在と出会えた特別な瞬間だった。
お子様のお誕生おめでとうございます。最近は本当に寒いですが、Kirynさんもお子さんも元気でいらっしゃるようお祈りします。
ご出産、おめでとうございます!
読んでいて涙が出ました。
実は私もこの5月に出産予定なので
(うちも男の子らしいです)、今の無事に生まれて欲しいという願いや今はいつも一緒だという特殊な気持ちと、kirinさんが無事お子さんを出産された時の感動や、不思議な得難い体験がジワジワと伝わってきて、本当に涙が出ました。
今は毎日お子さんと特別な時間を過ごされているのですね。
本当におめでとうございます、そしてこれからも是非記事を読み続けたいです。。。。!
お子さまのお誕生、おめでとうございます♪
一日のうち、赤ちゃんは、ホントにいろんな経験と感動をくれます。今しか味わえないことがいっぱいあります。どうぞ、しっかり向き合ってあげてください(言うまでもないことですが)。
わたしは俳人です。数年前に「さらば美しき人」を検索して、こちらに辿り着き、以来、愛読しています。
以前はブログを開設していたのですが、今は、詩歌関係者の閉鎖的なSNSに潜んでいます。
映画の好みやお料理のこと、重なる部分があって、あなたさまは、どういう方なのかなって、想像をめぐらせています。
寒さの中、どうぞ、ご自愛ください。
いい記事を読ませていただき、感謝です。
kirynちゃん、おめでとう!! 私も、自分の子どもが生まれるってことで、それまでの価値観が変わったけど、kirynちゃんは産んだんだから、スゴイことです。 これから、育児大変(特に男の子!)だけど、kirynちゃんならストレス溜めずにいけそうだね。
いいなあ、男の子、、、うちの4歳の娘は「パパ、臭い」とか言ってます、、、心通わない、、、
みなさま
お返事が遅くなってごめんなさい。暖かい言葉に涙、涙です。
黒江さん
お言葉、ありがとうございます。暖かい日もあるけれど、寒い日は本当に寒いですね。今は家にこもりっきりですが、外出できるようになる春が待ち遠しいです。
Keikoさん
ありがとうございます。そしてご懐妊おめでとう! Keikoさんも男の子なんですね。男の子ってどんな風に育つんだろうと、ワクワクしています。本当に楽しみですね。
でも今はKeikoさんの体を労わってください。臨月まで何があるか分からないと痛感いたしました。わたしは少しだけ早産になってしまったので、これくらい大丈夫かな?と無理を重ねたのがいけなかったのかなと反省しております。
あと、残り少ない「自分の時間」を堪能してください! 生まれたら自分の時間ないです!
花森こまさま
はじめまして、でしょうか。きれいなお名前ですね。あまり更新できていないこのブログを見てくださってありがとうございます。なんだかとてもうれしいです。
それからお祝いのお言葉、ありがとうございます。まだ目も合わないし、笑顔をみせてくれるわけでもない子ですが、こうやって一緒に暮らせることの不思議さに、ときおり涙がこぼれます。ちょっと感傷的になっているんでしょうね。自分はこんなに涙もろかったっけ?と思うこともしばしばです。
あざらしさん
娘さん、4歳なんですね。かわいい盛りでしょうね。あざらしさん、かわいがっておられるんだろうなあ。
価値観変わったといえるかどうかまだ分からないけれど、これまで考えてなかったようなこととか、ふっと頭に浮かぶことが増えました。新生児はとくに小さくてはかないぐらいの存在だから、何をおいても守ってお世話してあげないといけないという気にさせられます。不思議ですよね。何か大切なものを預かっているような気持ちにさせられます。